LOOKについての四方山話(その14)

4-3 OVER-LOOK(1988)


歌詞カードはニューヨーク写真日記みたいになっててたのしい。当時CDの方にはこの写真掲載されていたのかな?
ニューヨークとは言っても滞在していたのは郊外のロングアイランド島なんですけど


Side-B (All Songs Arranged & Produced by ALAN BREWER)


1.ONE DIMEの夢
作詩:広石正宏 作曲:山本治彦


先行シングルとして発表された、アルバム唯一のチープさん作詩曲。長いスランプののち、ニューヨーク滞在中に初心に還って作った詩。仮タイトルは『1984 BOYS BE DREAMIN’』(この意味…!)。
当時は単純に久しぶりにチープ詩の曲が出て安心した、ぐらいの気持ちだったと思うが、あらためてLOOKのことを振り返っている今、この曲めちゃめちゃグサリとくるな…。28年越しにチープさんの純粋さに触れ、なんかもうこの曲正気で聴けない。うううう……
そして、はるきちさん作曲の曲がシングルになるのははじめてでした。転調展開から続くサビのメロディの力強さがすばらしい。丁寧に歌うとーる君のヴォーカルも良いし、サビの「In my heart」「Dreamin’ on!」コーラスにもぐっとくる。
原曲にはないイントロパートが加わったライブヴァージョン。うわこれとーる君の歌もよくて泣ける…
ONE DIMEの夢 / LOOK


2.Ring! Ring! Ring!
作詩:相良光紀 作曲:千沢仁


千沢ヴォーカルのまたもやバラード。この曲自体はアルバムリリースに遡ること2年前のクリスマスツアーで披露され、以降ライブではおなじみの曲でした。歌詞の中にはっきりクリスマスというワードが登場するわけではありませんが、鈴の音などクリスマスを意識したアレンジが施されています。
元は『ラストシーンから始めよう』のB面曲で、武部聡志さんがアレンジしたシングルVerを、ニューヨークでミックスし直したものがアルバムに収録されているようです。(今レコードプレイヤー使えないのでシングルVerを確認できない…)
1988年のクリスマスツアーで来場客に配られたカードに、千沢さんがこの曲の歌詞を抜粋して「喜びも哀しみも君一人のものじゃないさ」と書いていたので、千沢さんにとっても思い入れのある1曲だったのかもしれません。
しかしさすがに千沢さんバラードの印象強すぎだなあ。わたしLOOKで一生分のバラード聴いたって言っても過言ではないよ(笑)。
メンバー全員でコーラスしてるライブヴァージョン。良すぎる…

Ring!Ring!Ring! / LOOK


3.ラストシーンから始めよう
作詩:相良光紀 作曲:千沢仁


当時はこの曲好き度ではそんなに上の方でもなかったんだけど(ゴメン、たぶん「黄色の古いビートル」とかリアルに感じられなかった)、今聴くとサビもキャッチーだしセンチメンタリズムもあるし、いい曲じゃん!って。なんでこれ売れなかったのかなあ。
この曲も『Ring! Ring! Ring!』同様、元は大村憲司さんがアレンジしたシングルVerを、ニューヨークでミックスし直したVer。シンセの音が控えめとなり、新たにギターの音を撮り重ね、より力強く骨太な印象の仕上がりとなっています。
そういえば外部アレンジャー問題ですが、当時の千沢さんのインタビューによると、アレンジャーを立ててはいるものの結構デモテープのアレンジを採用してもらっているという話が出てきて、なんか…救われました(笑)。
あんまり音はよくないけど、ライブで演ってたバラードアレンジ!ライブの入場シーンから入ってる映像は貴重かもしんない

らすとしーんからはじめよう



4.AGAIN
作詩:相良光紀 作曲:千沢仁


マイナーとメジャーを行き来するサビのメロディが美しい。コーラスワークも素晴らしく、大人っぽい曲調は今までにないものだけど、これは紛れもなくLOOKっぽい曲だと思います。
ライブで演ってたアカペラヴァージョン。原曲よりちょっと短めだけど、LOOKの強みであるコーラスが存分に堪能できる。しかしこうして見るとライブのアカペラアレンジ多いな

AGAIN / LOOK



5.PARTY LIFE
作詩:相良光紀 作曲:千沢仁・山本治彦


曲名そのもののパーティーソング。詩の内容を見ると楽しいだけじゃない部分もありますが。前3作のアルバム最後の曲は全てバラードでしっとりと締めくくっていたので、賑やかに締めくくったところが今までとは違うな、と。
ライブでは『STAR DUST CLUBで人生を…』とセットで演奏されることが多く、定番のナンバーでした。たぶんライブを意識して作ったんじゃないかな。
作曲ではLOOK初の共作。当時のファンクラブ会報のインタビューによると、AメロBメロがはるきちさんでサビが千沢さんだったそうだ。はるきちさん曰く「千沢が前に書いた曲で感じがあうのがあるからくっつけてみたいんだけどってね、俺はイヤだって言ったの(笑)これは俺の曲だとかいって。(中略)あんなに明るい曲になるハズじゃなかったんだ。」まあでも結果いい雰囲気になってよかったとは言ってますけど(笑)
1コーラス目がAメロBメロとーる君、2コーラス目がAメロ千沢さんBメロとーる君、サビはふたりで交互に歌うツインヴォーカル。
これはライブ映像を貼っちゃうゾ!

ぱーてぃらいふ
『PARTY LIFE』といえば大量に降ってくる風船ですよね♡みなさま!


あーしかしこの『PARTY LIFE』がオリジナルアルバム最後の最後の曲となるとはねえ…


“「いつか必ず また逢えるさ」なんて
 僕には言えないけど
 終わりが来ない Partyは無いものさ
 時は流れて行く ”


次回、OVER-LOOK後日談。(続)


つぎの話→ LOOKについての四方山話(その15)…4-3 OVER-LOOK/Reprise(1988)


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80年代後半に活動していたバンド「LOOK(ルック)」について、2016年に回想し、少しながい文章を記しています。
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詳しい説明はこちら → 「LOOKについての四方山話」について