LOOKについての四方山話(その11)

3-4 WINGS/Reprise(1987)


『WINGS』がリリースされた1987年、高校に合格したわたしが真っ先に手をつけたのは、LOOK本の製作。中学時代の同人誌への参加をきっかけに、ペンで書いた原稿を印刷所に入稿して作る本を作るのが夢だったのだ。
当時入っていた私設ファンクラブやリアル友人wに声をかけ描き手を募集し、自分も(ていうか自分がほとんど)原稿を描いて入稿し発行したのは8月のこと。A5判44ページ。内容はイラストを添えたフリートークとか創作漫画(うへえ)とか、今見ると自分の書いた原稿がかなり荒い。そして歯に衣着せなさすぎな発言だらけ。お願いだからわきまえてほしい当時の自分!ほとばしる勢いだけで作った感がものすごいな…。
しかしこんな本でもファンクラブの文通コーナー(があったのよ。ほかダビングしてくださいコーナーとか、今じゃ絶対アウトなやつw)で紹介文を載せてもらったこともあり、予想以上にたくさんの方に手に取っていただきました。自分の趣味を活かした(笑)活動だったとはいえ、自分から動いて全国のファンの方々と交流できたのは貴重な体験でした。通信手段が郵便電話のみの時代の話です。
一番よく描けてるの裏表紙のロボットだ


この本を出した頃の1987年8月1日、LOOK7枚目のシングル『ラストシーンから始めよう』発売。前のアルバムが出たタイミング考えるとペースはやい。
相変わらずジャケットにはとーる君ひとりしか写ってませんけど!

B面はクリスマスソング『Ring! Ring! Ring!』。コンサートでは前年末から既に演ってた曲の音源化でした。でもこのシングルが出たのは8月で、季節感ガン無視だったな(笑)。


『ラストシーンから始めよう』のPV(動画あったけど見られなくなってしまった。DVD付きのベスト盤に収録されています。)。相変わらずの仮装シリーズですが、これはそれほど笑いに走ってなくて好きだな。ピエロ姿もハマってますが、素顔の部分がどのシーンもかっこよく絵になっててお気に入りです。
千沢さんがギター持ってるの謎だけど



そしてついに!1987年8月20日愛知県勤労会館「WINGSツアー」。ファンになって2年、ようやく初めてのコンサートです!
当時のチケット

たしかこの時はまだファンの知り合いもなくリアル友人を誘う勇気もなく、ひとりで見に行った。見たい気持ちの方が強かったので、ひとり鑑賞でも平気だった。(今も同じだ)
ファンクラブで取ったのに18列目というなかなかにひどい席で(FCよりもイベンター優先&それなりにファンがいた?)、いまいち生で見ているという実感に欠けた。しかしライブならではの演奏の迫力、ステージパフォーマンス、演奏曲をつなげるようなアレンジ、メンバーそれぞれの話芸(笑)など、この時間この空間でしか見られない世界にすっかり魅了され、アンコール最後の『夢見るシンディ』では感極まってだだ泣きだったらしい。


初めてのコンサート、とにかく何もかも見逃すまいと覚えるだけ覚えて、その記憶をどうしたかというと、懲りずにまた本を作ったのである。B6判30ページのコピーによるコンサートレポート本。大作!
今思うと、このレポート本を出すという行為が、この10数年後からはじまるフリーペーパーや個人ホームページの製作、ブログ、ひいては今のつぶやき感想につながっていると思っています。
何が大作ってサポートメンバーのイラストで1ページ使ってるぐらいw

そして自分の本にセトリがあがってた。若い脳の記憶力すごい。

本編最後の『悲しきプリズナー』→『ANTON』→『7回目のWEEKEND』→『STAR DUST CLUBで人生を…』の流れ、想像しただけでヨダレ出る…!『ロンリー・ダンサー』聴けてよかったな!『時間のメリーゴーランド』演ってない!『ハローロンリネス』はライブの定番だったのに音源化されなかった曲。『シャイニン・オン〜』がセトリから外れている。
ちなみにこのツアー、東京公演は日比谷野音だったのです。ウワ〜見たかった!


ここまで見ると、なんだかわたしだけが本を出しているように見えますが、実は案外ファンの間で本を出す人は多かった。さすがに同人誌まで作るのは少数派でしたが、コピー本はたくさん出てましたね。
中でもコンサートレポート本は、雑誌はおろかファンクラブですらフォローしてなかったセトリやMCの内容など貴重な内容満載。ほんと昔も今もファンってすごいね〜。今でも何冊か手元に置いてあります。


たぶんこの8月のコンサートでチラシをもらったのかな、地元愛知で活動するLOOKのファンクラブの存在を知ることになります。
前にも書きましたがEPICソニーは各地でビデオコンサートを積極的に行っていて、そういうところに来るひとを集め、レコード会社半公認みたいな形で応援団を作っていたのでしょう。所属のアーティストごとに、そして地方の営業所ごとにいくつか組織があったように記憶しています。
活動場所は伏見にあったソニービル。コピーを借りて会報を作ったり、会議室でビデオコンサートや集い(今で言うオフ会)を行ったり。コンサートでチラシを配ってリクエストの呼びかけをしたり(レコード会社の目的はそこだったと思う)。
こうして地元のファンの方々とのリアルでの交流もはじまり、ますます自分の日々の生活の中でLOOKは切り離せない存在となっていきました。


ツアーが終わり9月に入ると、LOOKはなんとアルバムレコーディングで1ヶ月半ニューヨークへ旅立ってしまいました。まさかの展開!(続)


つぎの話→ LOOKについての四方山話(その12)…4-1 OVER-LOOK(1988)


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80年代後半に活動していたバンド「LOOK(ルック)」について、2016年に回想し、少しながい文章を記しています。
運良くこの文章を拾ってくださり、何かしら感じることがあった方はどうぞ遠慮なくコメントを。
詳しい説明はこちら → 「LOOKについての四方山話」について