LOOKについての四方山話(その7)

2-3 LOOKIN’ WONDERLAND(1986)


LOOKの2枚目のアルバム『LOOKIN’ WONDERLAND』について、後編B面についてです。
LOOKは4枚アルバムが出ているのですが、わたしはこのアルバムが一番好きです。歌詞カードも何もかも全てが好きで。歌詞カード表面のこの写真!ああ〜かわいい。
はてなの写真ってアップロードするとボンヤリしちゃうのね



Side-B


1.Song For You
作詩:千沢仁・広石正宏 作曲:千沢仁 編曲:LOOK


メンバーのアカペラコーラスで始まるあかるく少し懐かしさも感じさせる曲。曲調としては『Hello Hello』の系統。作詩共作だったのか。どの辺が共作だったのかな。
前々回にも書きましたが、この曲は先に12インチシングルのB面に収録されていて、アルバムはイントロ、間奏、アウトロと歌以外の部分が短くアレンジされた短縮Ver。アルバムが出る前に12インチシングルのヴァージョンを死ぬほど聴いていたので、アルバムVerはなんとなく物足りなかった記憶があります。
音源あったんだけど画質音質よくないので保留。


2.7回目のWEEKEND
作詩:広石正宏 作曲:千沢仁 編曲:LOOK


この曲当時はそれほどぴんと来てなかったんだけど、今あらためて聴いてみてハッとした。「婚活女子」のことだよこれ!チープ先生30年後のトレンドを先取り(笑)、つか、いつの時代も変わらないってことなのかね。恋に恋するレベルの中学生にゃ、結婚というものに必死になりすぎて自分を見失う女の気持ちなんてわかるはずもないよな〜。
曲はサビ頭でプチ転調があったりでおっと思わせる雰囲気なんだけど、この曲はアレンジも秀逸。Bメロから展開してイントロ、間奏、アウトロのキメモチーフを作っているところとか洒落てるなあ。
たぶん87年頃のライブ映像。とーる君のステージングが派手すぎて大丈夫かな?って一瞬思った(笑) 全身で合いの手の拍手をするはるきち先生にも注目

ななかいめのうぃーくえんど


3.悲しきプリズナ
作詩:広石正宏 作曲:山本治彦 編曲:LOOK


これ好きですねえ〜。はるきち曲には珍しいアップテンポでハード目の曲。Aメロとーる君、Bメロ千沢さん、サビとーる君ですが、Bメロ後半からとーる君のハモりが入りそのままサビも二人でハモって歌っています。パキッとしたキメまくりのアレンジ(派手目のシンセの音色がどれも効いている)、Bメロのバックで鳴ってるサックスの早吹きフレーズもカッコいい。
自分の中では『ANTON』と同じ部類に入る曲で大好物ですが、この2曲以外こういう雰囲気の曲は以降結局出てこなかったのよね。こういったクールな面ももっと見てみたかったなあ…。
(音源見つからず残念よ…)


4.ドリーム・ファクトリー
作詩:鈴木徹 作曲:鈴木徹 編曲:LOOK


LOOKで唯一のとーる君作詞作曲の楽曲。LOOKのために作った曲ではなく、もともとはハードロック少年だった彼が18歳の時に作った地元掛川のことを歌ったというシンプルなロックナンバー。音源には親しみやすく聴けるよう?目覚まし時計やバイクの音など楽しいSEを乗せるアレンジがされています。
コンサートではとーる君がシャウトしまくりギターをかき鳴らし、ドラマー出身の千沢さんはピアノから立ち上がってパーカッションをぶっ叩き、はるきちさんもシンセから離れチープさんとふたりでサックス持って揃いのポーズで演奏をするなど、いつものメンバーと違う面が見られるということで楽しみなナンバーでした。
というわけでそんなメンバーの一面が見られるライブ映像を。後方にいるサングラスのひと、まさにパーカッションぶっ叩きでウケる…これも24時間テレビのライブですね。

LOOK 「ドリーム・ファクトリー」


5.夜明けの不良少年と街角のペ天使のバラード
作詩:千沢仁 作曲:千沢仁 編曲:LOOK


ハイ!前回お話しした千沢バラードのうち好きな曲1、2を争う曲のもう1曲がこれです。まずタイトルからしてこの破壊力、どうですか。
ピアノのバッキングとふわっとした音色のシンセのみというシンプルなアレンジに乗る千沢さんのヴォーカルは、ひたすらやさしくあたたかい。何よりも、Aメロ(スコアによるとD)、Bメロ(F)、サビ(一応Cだけど…?)がいずれも違うキーという、転調に転調を繰り返す展開がとにかく美しすぎる。自分が転調メロディに惹かれやすい傾向は、千沢さんの作る楽曲に鍛えられたと言っても過言ではないのです。
数多の楽曲を聴いた中で、わたしはこの曲のメロディが最高峰だと思っています。美しいけど過剰に泣きの入らない、まさに歌詞にあるような「少しだけならセンチメンタル」。
同じ千沢バラードでも、『ロンリー・ダンサー』は作詩はチープさんだしバンドで演奏しているということもあってLOOKの楽曲と言えますが、たぶん『夜明けの不良少年〜』はLOOKの楽曲ではなく「千沢仁」の楽曲なんだろうなあと、今回30年経って気づきました。そういえばこの曲自体コンサートであまり聴いた記憶がない。千沢さんとはるきちさんふたりで演奏していたのかしら?覚えがないな…。
音源なくなっちゃった…ショボン
ちなみにイントロの独唱及び間奏のユニゾンにLOOKの楽曲で唯一の女性コーラスが入っていますが、この女性コーラスの正体は千沢さんの実の妹(一般人)。当時のインタビューやら読むと千沢さんは家族のことをめっちゃ大切にされていたご様子で(当時も実家暮らしだった?)、それが現れた結果ということな、の、か…?
CDの歌詞カードには一切載っていませんが、レコードの歌詞カードにのみ、千沢さんと妹さんがレコーディングしている写真が掲載されているのだ…!

しかしA面B面のラストをいずれも千沢バラードが締めくくっているこのアルバムって、思い切ってるというか…リードヴォーカルは誰さ?って感じですね(笑)


と、いうわけでわたしがLOOKの中で一番好きなアルバム『LOOKIN’ WONDERLAND』についてでした。ふー長かったね(笑)
このアルバムがなぜ一番好きかというと、メンバー全員が作詞作曲何かしら担当していて、何よりアルバムのクレジットには「PRODUCED BY LOOK」、最も全員野球で作った(最後の)アルバムだから。と考えていたら、歌詞カードの裏面でメンバーが野球をしておりました…(笑)


1986年晩秋、LOOKは大きな変化をします。うん、今思い返すとあれは大きな変化だったなあと。しかし、高校生となったわたしはそんな変化には気づかず気にしようともせず、いやわりと気にしてたかな。ともあれLOOKを通じ大きく活動の幅を広げていくことになります。そんな翼ひらく1987年については、次回以降に。(続)


つぎの話→ LOOKについての四方山話(その8)…3-1 WINGS(1987)


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Hello Hello!検索からこのページに辿り着いてくださった皆様へ。
80年代後半に活動していたバンド「LOOK(ルック)」について、2016年に回想し、少しながい文章を記しています。
運良くこの文章を拾ってくださり、何かしら感じることがあった方はどうぞ遠慮なくコメントを。
詳しい説明はこちら → 「LOOKについての四方山話」について