大阪行脚09.11.21


大丸心斎橋店・商店街側入口上部のレリーフ


馬の骨のライヴを観に大阪へ行きました。大阪は久しぶり。すこし早起きをして1日満喫してきました。題して「食い倒れ&レトロデパート探訪」。



早起きしたのはこのお店へ行くためと言っても過言ではない。平日と土曜日の昼までしか営業していないため、もう何年も行く機会を失っていた。メニューはコーヒーとカフェオレとミックスジュースとドーナツのみ。
このお店のドーナツは理想的な味。六曜社より好きかも。カウンターからのぞくと山積みのドーナツ。じゃんじゃん揚げていました。豆をおみやげに。途中で先代が奥から出てきてカウンターに座ってゆっくりされていました。
実はこのお店のコーヒーカップがうちの実家で使っていたものと同じなのである!(今回はカフェオレを頼んだため違うカップでした)



日本橋へ移動。高島屋へ。なんばの駅前の高島屋ではなく、東別館。日本橋の電気街の真ん中で異彩を放つ、昭和12年に旧松坂屋大阪店として完成した建物。今は結婚式場と高島屋のオフィスが建物のほとんどを占めていて。買い物をする場所ではないため、たぶんメジャーな存在ではないかもしれません。
建設当時の面影がそこらじゅうに残るこの建物の中に、「高島屋史料館」なる企業博物館・美術館があるのです*1。著名作家の作品を多く所蔵することでも有名なようですが、私の目当ては企業史料館の部分。とはいえ、せっかく来たのだからと企画展ものぞく。

今は「百選会の歴史をたどる」という展示。高島屋が100年余り続けてきた新作着物の発表会にまつわる展示で、毎年テーマを掲げてデザインの公募などを行っていたそうです。アバンギャルドなデザインの着物が多くツッコミどころ満載楽しめました。
<一例>

  • 昭和54年訪問着「スーパーカー」。黒地に子どもがマーカーで書いた車の模様。少年から投稿された図案をモチーフにしたそうで、マーカーの筆跡も鮮やかに再現。
  • 昭和45年テーマ「こんにちは21世紀」>早すぎ。たぶん前年が大阪万博だったから?
  • 昭和36年訪問着「ガガーリン少佐の故里」
  • 昭和33年訪問着「近代設計」抽象絵画をどう着物に取り入れるか、とのこと。
  • 昭和38年訪問着「着工祝」高層建築がモチーフ


常設展示の史料館部分は思ったよりも小規模でしたが、珍しいものも多く見応え充分でした。戦前の日本の繁栄ぶりに驚いたり。最後はローズちゃん人形のオンパレード。どの子もかわいい!
ちなみに土曜の昼間でしたがほぼ貸し切り状態。たまに警備員さんが回ってくるぐらいで、係員すらいませんでした(笑)。建物の雰囲気も込みで、無料でここまで楽しませてもらえるなんてうれしい。ふかふかソファもあって休憩も可(たぶん)。レトロ好きには穴場スポットかも。


なんばの老舗洋食店*2池波正太郎のエッセイにも登場するお店。にぎわっている。清潔なお店。メニューはちょっと迷ったが、まずは基本、ハンバーグとライスを。いわゆる流行りの肉汁ハンバーグではないけど、ごはんに合う味。ソースがとてもおいしかった!あっさりだけどこくがある。おねだんはすこし高めだけど、雰囲気もよくまた行ってみたいお店になりました。今度はポークチャップを食べてみたい。
フロアのおばちゃんが何度も何度もオーダー確認を取っていたのと、勘定のときにお客さん全員に「長いことお待たせしてすんません」と声をかけていたのが印象的だった。そんなに待ってないのに、これってやはり大阪だから?


大丸心斎橋店が実はヴォーリズの建築だということを今年初めて知りました。これまで大阪に来ても通り過ぎていただけだったのに、よくよく見ればあら不思議。これだけの建築が当時(1933年落成)の姿のままで残っている奇跡。
中に入って目をこらしてみると、いたるところに当時の意匠が残る。きらびやかでありながら落ち着きもある1階中央天井の装飾(真下が化粧品売り場というのが個人的にはアレですが)。階段踊り場の飾りライト。2階エレベーター表示のモダンさ。玄関上のうさぎとかめ(ヴォーリズは小学校を建設した際にも階段の手すりにうさぎとかめのオブジェを飾っている)。ただただうっとり。商品を見ずに壁や天井ばかり見ていたのですっかり怪しい客でした(笑)。

ヴォーリズへの敬意かその名を冠しているお店もありました。せっかくなので中2階のサロン・ド・テヴォーリズで紅茶をいただく。オリジナルのヴォーリズブレンドはよい香り。コースターにはヴォーリズの「○書いてチョン」のサインも。
外観と1階・2階、そして地下(ベンチに落成当時の飾りが移築されている)をざっと見ただけでしたが、デパートもこれだけ近代化する昨今、よくぞ残す努力をしてくれたなあと感謝したい気持ちです。


堀江の鳥かごビルの中にあるカフェ(同じビルの4Fにちょうちょぼっこ)。今年いっぱいで店舗営業を終了されるとの知らせを受け、足を運びました。
実店舗には結局今回を含めて3回しか行くことができなかったのですが、SCHOPの配布や「そうぞうしい本」への参加など、何かとお世話になっていたのです。名古屋でばったりお会いしたことも。今後のお二人の展望などお話できてよかった。今後もいい形でおつきあいできたらよいなあと思います。おみやげに買って帰ったスコーンもおいしかった。



ライヴが終わり心斎橋へ向かうと、大丸がライトアップされていました。建物のデザインに合わせた品の良いデザイン。

  • 川福本店


ライヴが18時スタートで夕食を食べて帰れる時間だったので、昔のOliveの京阪神特集に載っていて後生大事に切り抜きが取ってあった(笑)うどん屋さんへ*3。メニューが豊富すぎて迷って迷ってきつねも天ぷらもたまごも食べられるその名も「おばけ」といううどんに。おだしがおいしくて飲み干してしまいました!どんぶりの底にはこのお店のキャラ?ふくろう君のイラストが。


帰りの新幹線のチケットを逆方向に買ってしまい、早割だったのに払い戻して買い直したため結局高くついてしまったこと以外は、たのしい大阪行脚でしたー。(つくづく自分のあわてん坊っぷりには落ち込むわーはぁー…)

*1:この本で知った。乙女の大阪―デート、食べ歩き、お菓子・おみやげ探し、クラシックホテル・レトロ建物巡り…乙女心の大阪案内 (MARBLE BOOKS)

*2:この本で知った。大阪食堂 なにわっ子の★★★グルメ案内

*3:後生大事に取ってある切り抜きの中には、今回調べたら既に閉店していたお店もありました。当たり前だよ…