2010.7.31(sat)瀬戸内国際芸術祭2010 男木島→女木島


瀬戸内国際芸術祭2010へ行ってきました。
全ての島を回ることができないため、どこに行こうか迷いましたが、男木島と女木島を1日で回ることにしました。高松から比較的近く島の大きさもあまり大きくないため2島を1日で回ることが可能です。

※今回、パスポートは購入しませんでした。会期前に前売り¥4,000(現在は当日¥5,000のみ)で売っていましたが、2島回ってもここまではかかりそうになかったので。たくさんの島を回られる方はパスポートを買った方がおトクな場合もあります。パスポートの方がスタンプも押してもらえて楽しそうだし。入場料の要不要についてはmixiの瀬戸芸コミュも役に立ちました。
※別売りでマップが¥100で売ってました。たぶんガイドブックより詳しい地図かと。しかし別売りかね!せめてパスポートにはおまけでつけてやりゃいいのにねえ。
※入場料が必要だった作品は、参考に文末に入場料記載しました。
※作品名の前につけた番号はガイドブックなどに掲載されている作品番号です。
※行って地図も何もない状態でぶらりと回るのはなかなか大変。公式ホームページもありますが、何島か回る場合はガイドブックを購入して交通事情や島での作品の回り方を下調べしていくことをおすすめします。

美術手帖6月号増刊 瀬戸内国際芸術祭2010公式ガイドブック

美術手帖6月号増刊 瀬戸内国際芸術祭2010公式ガイドブック



高松発12時のフェリー「めおん号」でまずは男木島へ出発。船内にはお座敷席もあっておもしろい。

船内に貼ってあったポスター。高松市民必見って狭いな


●男木島(おぎじま)
女木島経由の後、40分で男木島に到着。急な斜面に住宅がひしめくように建っているのが特徴の小さな島です。

  • 43 ジャウム・プレンサ『男木島の魂』


男木島の船着き場・総合案内所の役目も果たしている作品。雑誌の表紙にも登場してましたな。

OZ magazine (オズ・マガジン) 2010年 08月号 [雑誌]

OZ magazine (オズ・マガジン) 2010年 08月号 [雑誌]

   ↓


これを観に来たと言っても過言ではない!大好きな作家・大岩オスカールさんの描き下ろし作品。港のすぐ近く、旧公民館の白い空間いっぱいに描かれた作品。黒マジックで描かれているせいか、どことなくストリートっぽくて(特に海面の表現)今まで観ていたた作風とはちょっと違う印象。写真には写していませんが果てしなく広がっていくような仕掛けも面白いです。/¥300
   ↓

  • 45 井村隆『カラクリン』

いよいよ男木島特有の急な坂を上り、住宅街に入ります。飲食店の中に展示されていますが店外に小さな作品もありますので立ち寄ってみてください。楽しいですよ。こどもが喜びそう。いや、こどもにはちょっと気持ち悪いかな?
   ↓

  • 54 谷山恭子『雨の路地』

島内に3か所ぐらい設置されている作品。雨が降っているとより楽しめる作品で、晴れの日も人工的に雨を降らせる時間帯があるみたい。今回は時間が合わず雨が降る様子は観られず。雨振りのスケジュールを書いたチラシは船着き場で配っていました。
   ↓

  • 58 眞壁陸二『男木島路地壁画プロジェクト』

島内のあちこちに出現。雑誌でもおなじみ板塀がカラフルに塗られたアレです。
   ↓

  • 55 中西中井『海と空と石垣の街』


ガイドブックにはイメージスケッチしかなかったけど、これ実物がとても可愛いいですよ!ここから眺める海の景色も絶景です。
   ↓

  • 46 川島猛とドリームフレンズ『想い出玉が集まる家』


ここも楽しい。じっくり見るといろいろ発見がありそう。参加型の作品なので会期中もどんどん作品が増えそうです。
作品の手前にはカフェもあってめおんバーガーなるものも食べられます。ビールやアイスクリームもありましたよ。/¥300
   ↓

  • 47 松本秋則『音の風景(瀬戸内編)』


同行者皆んなが口を揃えて良かった!と大絶賛の作品。これもガイドブックからはよくわからない作品ですが、この楽しさは体験しないとわからないですよ〜。造形物としての美しさはもちろん、その音と動きに感動します。必見!ちなみに2か所に異なる作品があるので両方とも見逃さないように。/¥300(1か所は無料でした)
   ↓

この作品も島内の随所に現れます。こんなところまでつながっていたのか?!という場所にも。
   ↓

  • 48 高橋治希『SEA VINE

この作品は雑誌でも良く紹介されていますね。繊細な作品です。陶器でできているなんて信じられない。/¥300
   ↓

  • 49 北山善夫『誕生ー産殿ー性ー生ー死ー墓ー男木島伝説』

この作品も無料展示と有料展示に分かれていたのですが、無料展示のあまりのアングラさに全員有料展示を見送り(スンマセン)
   ↓

  • 50 漆の家プロジェクト『漆の家』

香川の伝統工芸である漆塗りで内装を施した家。白い漆というものがあるんだ!ということに驚き。実際に施工を担当された職人さんに詳しく説明していただき、漆に対する興味がわきました。漆は紫外線が大敵なんだそうだ。ここは涼しい&無料というのもポイントかも!(笑)
隣には広いお休み処のカフェもありましたよ。ところてんがあるらしい。
   ↓

  • 57 島こころ椅子プロジェクトグループ5『島こころ椅子』

かわいい椅子がたくさんありました。すぐ隣は島でもかなり高台にある豊玉姫神社。ここからの眺めは絶景ですよ!

   ↓

  • 51 オンバ・ファクトリー『オンバ・ファクトリー』


男木島のお年寄りが使っているオンバ(乳母車)を修理し作品化。デコオンバや悪路専用オンバなどさまざまなカスタマイズオンバがおもしろい。オリジナル商品のショップやお座敷カフェもあって縁側でしばしのんびり。ここも眺め良し。
   ↓

  • 52 西堀隆史『うちわの骨の家』

香川の伝統工芸であるうちわ。うちわの骨が古い家の中を埋め尽くしています。広い窓から入ってくる風が気持ちよく、お休み処じゃないのにまったりしてしまいました。(スミマセン)/¥300



時間の関係で少し離れている1作品を除いてほぼ全て観て回ったことになります。坂が多く夏の暑い盛りに巡るにはなかなか厳しい環境ですが、日陰もあるし時々吹いてくる海風も気持ちいいです。何より島でなければ味わえない風景がすばらしいですよ。



15時55分発のめおん号で女木島を目指します。今度はお座敷ではなくラウンジ風のソファ&テーブル席があった。


●女木島(めぎじま)

男木島発約20分で到着。高松からもフェリーで20分なので、夏場は海水浴客も多い島です。とある家の前ではタコ壺が植木鉢になってた。



フェリー到着後急いでバス乗り場へ。新しいバスと古いバスが並んでいててっきり新しい方かと思ったら「こっち乗ってー!クーラー効かない方」って(笑)。かなありレトロなバスでした。

  • 42 サンジャ・サノ『鬼合戦、あるいは裸の桃の勝利』

バスに乗って向かったのは元々女木島名物の鬼の洞窟。洞窟内に作品が展示されているのです。洞窟の中というロケーションから見るとちょっと怖い作品なんだけど、洞窟の中の展示物との相性はどうだったんでしょうか(苦笑)。洞窟の中はかなり涼しいですよ。/¥500(洞窟入場料)


ちなみに洞窟の中の展示物はこんな感じ

入口。お召しものが大阪のおばちゃん(アニマルプリント)

お賽銭あげたくなるのは日本人の常だろうか

桃太郎ってこんなラストシーンだったっけか?
アニメちっくですねえ。
洞窟出たところの柱状節理はお見逃しなく。自然に出来たものとは思えない美しさですよ。


洞窟近くにもうひとつ作品があったのだけど帰りのバスの関係で断念。

  • 40 木村崇人『カモメの駐車場』& 35 禿鷹墳上『20世紀的回想』


カモメは港にたくさんいますよ。偶然作家さんとお話する機会があり、こんなに先客がいたら本物が来ないのでは?と聞いたら、このカモメの上に本物がとまったりするらしいです(笑)。
   ↓

金沢21世紀美術館のプールの作品で有名な作家。レストランが併設されていて気付きにくいですが扉のある部屋の中が作品。ここちょっとすごいですよ!入館¥500とちょっと高いですが体験する価値あり。ちなみに無料で見られるレストランの中庭の枯山水も作品です。じーっと見ているとあっ!と驚きが。/¥500
レストランはもうディナーの時間でしたが、聞いてみたら軽食もできるとのことでカレーをいただきました。おいしかった。外側にはテイクアウトコーナーもあってアイスクリームやパニーニ、鯛飯も売ってました。ちなみに地元高松の方で、夕方に女木島に渡ってここのディナーを食べて最終のフェリーで帰ろうかしらと話してた方が。かっこいいな〜
   ↓

  • 37 福武ハウス2010


国内外の現代美術のギャラリーが所属作家の作品を展示。休校中の小学校が会場で家庭科室や理科室、図書館などをうまく使った展示がおもしろかった。中庭の杉本博司さんの作品はたぶん小学校の備品を使って作られていて、杉本さんには珍しく?ダジャレのようなタイトルがついていてウケました。森村泰昌さんの田中敦子の電気服再現映像もなかなか迫力があった。エンライトメントの用務員室カフェが調整中で閉まっていて残念。どんな感じだったんだろう。/¥500
   ↓

  • 80 木村崇人『木もれ陽プロジェクト<星の島>』

参加型のイベント作品。8月15日までの期間限定。星をつかまえるというコンセプトが楽しい。こども大喜びでした。たぶん同じタイプの作品をあいちトリエンナーレでも名城公園で開催するみたい。(見るだけは無料でした)
   ↓

  • 39 行武治美『均衡』

最初日没前に行ったら、スタッフの方からナイトプログラムをおすすめされ、じゃあせっかく夜までいるんだからと日が落ちた後に再訪。古い家の中が竹林のような細い鏡で埋め尽くされた作品。確かに昼間と夜では全く印象が違う作品かもしれません。/¥300


最終のフェリーは21時発だったので、海岸でのんびり船が来るのを待ちました。友達のウクレレ演奏を聴いたり、近所の家族が花火をするのを眺めたり。
女木島は20時半まで開いている作品が多いので、遅い時間でも楽しめるのが良いですね。夕方に島に入ると終バスの関係で鬼の洞窟がちょっと駆け足の鑑賞になりますが。
愛知県立芸術大学を見なかったのが惜しまれます(地元民としては)。あとファスナーの船が見られなかったのも残念。


瀬戸芸、さんざん暑い暑いという情報を聞いていたのでどんな過酷な環境だろうと覚悟して行きましたが、私が行った日は思ったよりも、という感じでした。休む場所も結構あるしね。とはいえ、冷房の入っているところは限られるのでそれなりの装備で。
特に真夏は日よけ・汗ふきは必須と感じました。個人的には乾きづらくかさばるタオルより、いざというときには日よけや首の日焼け止めにもなる手ぬぐいの方がベターだと思いました。芸術祭の公式グッズにナイスなデザインのものがたくさんありますよ。