2013.8.11(Sun)KIRINJI WORLD HAPPINESS 2013@東京・夢の島公園陸上競技場

WORLD HAPPINESS 2013
[出演者]
大橋トリオ/Controversial Spark (incl.鈴木慶一)/高橋幸宏/MIDNIGHTSUNS/清水ミチコ/矢野顕子/ヒカシュー/スチャダラパー/TOWA TEI/柴咲コウ/トクマルシューゴ/salyu × salyu/GREAT3/大貫妙子/KIRINJI/奥田民生/レキシ/The おそ松くんズ


<KIRINJI>
Vo/Gt : 堀込高樹
Vo/Key : コトリンゴ
Pedal Steel ,Resonator Guitar & Cho : 田村玄一
Bass&Cho:千ヶ崎学
Dr&Cho :楠均
< SET LIST>
1. ナイーヴな人々
2. fugitive(未発表/新曲)
3.仔狼のバラッド
4.Holiday (未発表/新曲)

夏の一番暑い時期の野外フェスは晴れても雨が降っても過酷。ましてやセンターステージでも30分、レフト(サブ)ステージだと20分しか持ち時間がないと聞いて、当初は遠征してまで行くのはどうかなあと思っていたのです。しかし、新体制のお披露目と言われれば…と、結局行くことに決めました。わたしは新しいキリンジは兄のソロ+サポートでやるものと予想していましたが、どうやら新しいメンバーを入れてやる事が濃厚となったこともあり、これは見届けなければという思いが強くなったのです。
新メンバーはライヴの当日発表されると思っていたのですが、これまた予想に反し事前に発表。玄さん、楠さん、チガちゃんの加入は嬉しかったけど(特にチガちゃん加入バンザイ!←ファンなので)、コトリンゴさんと弓木さん(加入当時22歳!)の女子2人は、ミュージシャンとしての彼女たち自体わたしはほとんど知らなかったので、全くもって未知数…。とにかく見てみないことにはなんとも言えないな、という結論に。
そうそう、新メンバーを迎えると同時に表記が変わりましたよね、キリンジからKIRINJIへ。


KIRINJIの出番は18時。レフトステージでの登場です。センターステージで大貫妙子さんが演奏する中、レフトステージではメンバー本人達が登場してセッティング。兄が登場した瞬間、キャッキャと沸き立つレフトステージの客席。きっきみたち静かに!(笑)かく言う自分も大貫さんの演奏を聴いてるどころじゃないという非常にもったいない状況に…。
兄のいでたちは薄いグレーの長袖シャツ腕まくりに鮮やかな青いパンツ。たぶん新アー写で着てたやつ!コトリンゴさんもアー写みたいなベアトップのワンピースだったけど柄が違った。玄さんはアロハ、チガちゃんは白シャツに帽子、楠さんはブルーのTシャツ。
各メンバーのセッティング位置も気になるところでしたが、結局誰もセンター前方に来ないという(笑)。舞台向かって前方左にコトリンゴさん、やや中央寄りの右側に兄、後方左にチガちゃん(でかいキーボードセットに隠れて見えねー)、中央が玄さん、右手に楠さん。兄がセンターに来ると思いきや、これまでとほぼ変わらない位置でした。
ところでこの日は新メンバーお披露目公演にも関わらず、なんと弓木さんが欠場だったのです!しかもその事実を当日誰かのツイッターのつぶやきで知るという…これには正直落胆しました。お披露目公演なのに。このライヴのオファーを受ける前から決まっていたサポートの仕事が入ってたそうです(兄がタケカワユキヒデさんって言ってたような)。逆に言えばワーハピ出演を了承した時点ではKIRINJIの新体制はまだ固まっていなかった、それでも何かはやるってことにしてたのね…。


定刻の18時を少し過ぎた頃、メンバーが登場。するとレフトステージ客席はひときわ大きな歓声!そう感じたのはわたしのまわりにKIRINJIのファンが多数いたからでしょうか?でも、いくら相当な数のKIRINJIファンがこの瞬間のため、暑い中早朝から並びステージの前の方に陣地を作っていたとはいえ、濃いファンだけではここまでの大歓声にはならなかったはずです。KIRINJI登場直前からなんとなく客席が混み合ってきたなあ…とも感じていたんですよ。トリ前のレキシ待ちなのかな?とも思いましたが、たぶん、KIRINJIにも期待をもっていた人が多かったに違いない。そして、今回このメンバーでステージに立つ事情を知ってこその大きな声援だったのでは。そう思うと、キリンジって思いのほか認知されてたんだなーと思った次第です。


ドキドキの1曲目は『ナイーヴな人々』!誰が歌うの?誰が歌うの?・・・兄でした!しかし声が時々うわずったりしてハラハラしちゃう場面も…堂々と歌えるようになったと思ってたんですが、さすがに大舞台での初お披露目となれば緊張もするよね…「ミスをしても気にすんな」(♪気にす〜ん〜なあ〜)と思わず兄に向けて心の中で歌ってしまいました。アレンジは前回ツアーとほぼ変わらず。ただし、エンディングの玄さん見せ所のペダルスティールソロは時間短縮のためかカットでした。エンディング締め前の楠さんのドラムがえっらく派手でびっくりした。


「こんにちは、KIRINJIです。新しくなりました」と兄による挨拶。そして弓木さん欠場に関するお詫び。「お詫びの代わりに、新曲を用意してきました」!!「福田和子みたいな、女の逃亡犯の曲です。コトリンゴが歌います。」!!!ちょ、福田和子って…(笑)。そしてそんなとんでもない前フリをされたコトリンゴさん、「え?ええ〜…?」と明らかに困惑(苦笑い)の声。
新曲『fugitive』はコトリンゴヴォーカル曲。ただし、詞は女の逃亡犯、曲調は『メスとコスメ』や『ハピネス』みたいなちょいダーク路線でまさに兄節。それをコトリンゴさんの高くて可愛らしい声で歌わせるというミスマッチ感がこの曲のキモなんだろうな。ただ残念だったのは、マイクの音量のせいなのか歌い方なのか、歌詞が聞き取りづらかったこと。聞こえたフレーズの中には「おまわりさん私やってません」と不穏な空気は漂っていたのですが…。決めフレーズの「♪フュージティブ」の部分が「♪刑事さん」や「♪富士山」などと歌われていたという説も。うー、はやく歌詞が知りたい!
アレンジもまだこなれてない感じだったので、これから面白くなりそうな曲だなと思いました。コトリンゴさんのヴォーカルの特徴もよくわからなかったので、今後どう印象が変わるのか(わたしはコトリンゴさんの歌はCMでぼんやり聞いた程度)。


3曲目は「狼と寝た女の曲です」と、キリンジをよく知らない人が聞いたら一体どう思うのか心配になる曲紹介ばかり繰り出す兄。
『仔狼のバラッド』は6月のLonesomeStringsのライヴに兄がゲスト出演した時に披露されており、たぶん演るんじゃないかなって予想していましたが、玄さんのセットにそのとき使ったリゾネータギターがあったので、ああこれは間違いなく演るなと確信。ドラムも入ってさらにパワーアップした演奏でした。この曲でチガちゃんはシンセベース使ってました(シンセベース使ってるの初めて見たな)。ロンサムの時はウッドベースで、この日も他の曲ではウッドベースも使ってたのに、シンセベースにした意図はなんだろう?兄のヴォーカルは正直ロンサムの時の方が安定してたかな…やっぱり緊張していたんだろうか。


4曲でおしまい!はやい!「最後の曲も新曲です」!!!!!すごい、まさかの新曲2曲!兄のヤル気を感じたわ〜。演奏前に曲名も紹介してたけど現場ではわからず(滑舌…)。その後判明したタイトルは『Holiday』。こちらは意表を突いて?さわやかソング。ヴォーカルは兄。ただこの曲も残念ながら歌詞がよく聞き取れず…部分的に聞き取れた歌詞からすると、夏休みに遊ぶこども(「プール」は聞き取れた)をビールを飲みながら見守る父親、ほのぼの夏の1日、という感じ(ほんと断片的にしか聞き取れなかったので、蓋を開けてみたら違うかも)。『星座を睫に引っかけて』の世界とも通じる、父性ソングではないかと想像しました。


こうしておよそ20分のKIRINJIお披露目公演は終了しました。
新生KIRINJIのメンバーが発表された時に、まわりの反応もさまざまだったのですが、わたしは実際に見てみないことには何とも言えないな、と思ってて。で、このお披露目公演に臨んだわけですが、弓木さんが欠場だったことと、コトリンゴさんの歌声がよくわからなかったので、やっぱり何とも言えないな、と。
ただ、思ったよりも変わってなかったな、という印象を受けました。まあ堀込高樹がやってるバンドだからね!(笑)なので、いましばらくは見守り続けたいと思います。真価が発揮されるのは、アルバム発表及びワンマンライヴの時なのかもしれません。(本当は焦らずにアルバム→ワンマンの順で出てきてもらっても構わなかったんだけど、兄も4月12日以降はやくも新しい曲作りたいって発言してたしね…。)
今回加入した玄さん、楠さん、チガちゃんがキリンジで見せた素晴らしいライヴパフォーマンスのことを思うと、今後回を重ねるごとにこのバンドのサウンドはより面白いものになっていくんじゃないかという期待は大いにあります。新加入の女子2人もどんな個性を発揮してくれるのか。ステージセッティングの位置の定まらなさひとつ取っても、KIRINJIというバンド自体がまだ試行錯誤しているのかもしれません。なにせ始まったばかりだもんね。これから楽曲が増えるごとに位置関係も変わってくるのかも。(あと余計なお世話かもしれんけど兄にはボイトレしてほしいわね…)


池上本門寺のライヴも観たいよ〜!今度こそ弓木さん出演で演奏時間も長いらしいので。先に知ってたらこっちにしたのに…でもお披露目公演を観たというスペシャル感で自身をなだめすかしております(笑)。